5.26.2014

【京都芸術センター×京都市立芸術大学 AIR 2014】アラヤ―のリサーチ活動開始!

京都に到着して、さっそく次の日から、アラヤーさんはリサーチをどんどん進めています。今回の滞在では、普段なかなか見えてこない、捨て犬や迷子犬のような「飼い主のいない犬」と「高齢者」の記憶に着目したいとのこと。京都市内のさまざまな場所へ出かけて、観察・インタビューを行っています。
 まずは、京都市学校歴史博物館で、戦前戦中の小学校の記録写真や映像を見て、高齢者の方々が小学生だった頃に思いを馳せました。たまたま博物館に遊びに来ていた方に、昔の思い出話を聞かせていただきました。そして、お寺に併設された特別養護老人ホームに移動し、職員さんに案内してもらいながら入居者たちとのおしゃべりを楽しみました。

 次は、京都府動物愛護管理センターと京都市家庭動物相談所を訪問。施設の取り組みについて説明を受けた後、飼い主が放棄したり、迷子で保護された犬たちと対面。犬が大好きで、チェンマイの自宅で15匹の犬たちと暮らしているというアラヤーさんは、満面の笑顔になりながら、一匹一匹を優しくなでて、ポートレートを撮影。そして毛を採取していきます。どうやら犬の毛を、次年度の展覧会で使いたいもよう。これまでの暮らし方と結びつけて、楽しみながら、着々とリサーチを進めています。




5.22.2014

【京都芸術センター×京都市立芸術大学 AIR 2014】アラヤ―・ラートチャムルーンスック氏を招聘


 京都芸術センターと京都市立芸術大学による連携のもと、5月16日から6月15日までの約1カ月間、アラヤー・ラートチャムルンスックを招聘します。
 アラヤ―は、タイの古都チェンマイを拠点とする映像・写真作家。東南アジアを代表するアーティストとして、世界各地の芸術祭や企画展に参加してきました。個人的な日常体験に動機づけられた作品は、突飛なシーンを実現しており、女性、死、個人のアイデンティティといった多様で深遠な解釈を誘います。代表作《授業》(2005)では、横たわる身元不明の遺体に対し、死について講義する様子を撮影。《ふたつの惑星》(2008)では、近所の村人たちを集めて、西欧の複製された名画を前に、戸外で自由に会話させた様子を記録しました。



 今回の滞在中は主にリサーチに集中します。614日にはアーティスト・トークで、その様子をプレゼンします。同じくタイ出身の映画監督であるアピチャッポン・ウィーラセタクンとの対談形式になる予定です。彼女独自のリサーチの手法や主題、過程、そして提示の仕方を共有しながら、京都を再発見できるのが楽しみです。

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「京都芸術センター×京都市立芸術大学
アーティスト・イン・レジデンス プログラム2014」

招聘作家:アラヤ―・ラートチャムルンスック滞在期間:
2014年517日(土)~615日(日) 

[関連企画]

<1>「アラヤー・ラートチャムルーンスック特別授業」
日時:2014年5月21日(水)
会場:京都市立芸術大学 大学会館交流室
講師:アラヤー・ラートチャムルーンスック
      小山田徹(京都市立芸術大学美術研究科彫刻専攻 教授)
料金:無料(事前申込不要)
問合せ:京都市立芸術大学(075-334-2220)


<2>アーティスト・トーク
「対談―アラヤー・ラートチャムルンスック×アピチャッポン・ウィーラセタクン」 
日時:2014年614日(土)13:0015:00
会場:フリースペース
対談者:アラヤー・ラートチャムルーンスック(映像作家)
    アピチャッポン・ウィーラセタクン(映画監督)
進行:橋本梓(国立国際美術館研究員)
料金:無料(事前申込不要)

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アラヤー・ラートチャムルーンスック(Araya Rasdjarmrearnsook)
チェンマイ在住の映像・写真作家。バンコクのシラパコーン大学グラフィックアーツ専攻修士課程修了。「ドクメンタ13」(2012)や「シドニー・ビエンナーレ」(2010)、『アジアの亡霊』(サンフランシスコアジア美術館、2012)など、世界各地の芸術祭や企画展に出品。日本での展覧会は『風穴:もうひとつのコンセプチュアリズム、アジアから』(国立国際美術館、大阪、2011)、『熱々!東南アジアの現代美術』(横浜美術館、神奈川、2013)など。